--- 摘自http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/tokusyuu/09v4tov6/v4tov6-01.html
1,IPv6の導入時期はいつがベストか?
■ できるところから始めて、ノウハウを蓄積する
■ ISPのIPv6接続サービス利用はいつでもできる。まずは実験環境をできるだけ実際に近づけていくことが重要。
2, IPv6導入のメリットは?
■ NATに関するトラブルからの解放
■ ネットワークの構成変更に対する柔軟性
3, IPv4からIPv6への移行技術
●デュアル・スタック(双协议栈)
IPv6をサポートしている装置のほとんどがデュアル・スタックである。IPv4をサポートしている装置と通信するときはIPv4を使い、IPv6をサポートしている装置とはIPv6で通信することが可能である。
●トンネリング(隧道)
現在のインターネットはIPv4で構築されているので、その中をIPv6パケットを通すためにIPv6 over IPv4トンネリング技術を用いるケースが多い。現在、ISPが提供しているIPv6接続サービスの1つが、この形態である。なお、パケットのカプセル化/デカプセル化はルータで行う場合が多い。
●トランスレータ(协议转换器)
―プロキシ型
プロキシ型は、サーバがデュアル・スタックになっており、アプリケーション・レベルで変換を行う。もともと中継機能があるアプリケーションで、IPv6に対応していることが前提となる。現存するWebサーバやメール・サーバをIPv6化した形がこれであり、既存の企業ネットワークとの親和性は一番よい。
―NAT-PT型
NAT-PT型は、NATのIPv4~IPv6トランスレータ版である。IPv4とIPv6との変換は、アドレスだけではなく、そのほかのヘッダ情報も変換するので、プロトコル自体の変換という意味でPT(Protocol Translation)という言葉が付いている。基本的な考え方は、NATと同じである。アドレスだけに着目すると、IPv4のプライベート・アドレスの代わりにIPv6アドレスを用いた形である。NATと同様にIPレイヤでの変換方式なので、変換のオーバヘッドは少ないが、変換ができないアプリケーションもある。
―TRT型
TRT型(Transport Relay Translator)は、トランスポート・レベルで変換をする方式である。あて先のIPv4アドレスをIPv6アドレスに写像させるところが、NAT-PTとは異なる。トランスポート層での変換なので、TCPのウィンドウ制御や再送制御も行う。その分、NAT-PTに比べてオーバヘッドはあるのだが、あまり大きな差ではない。また、アプリケーションに依存しない半面、変換できないアプリケーションがあるのもNAT-PTと同様である。NAT-PTとTRTは、プロキシ型に比べると変換オーバヘッドは少ないものの、ソフトウェア処理なので、劇的な差は見られない。
●DNS
DNSの実装の1つであるBINDでは、すでにIPv6アドレスを扱えるようになっている。IPv4アドレスはAレコードで表され、IPv6アドレスはAAAA(「クワッド・エー」と読む)レコードで表される。これは、IPv6アドレスを持つ装置の名前がDNSサーバに登録できるという意味であり、IPv6でDNSサーバにアクセスできるという意味ではない。
●SNMP/MIB
いくつかのルータはすでに対応済みである。IPv6対応といっても、IPv6 MIBに対してIPv4でアクセスするのが現状である。