世の中の情勢がどうであろうとも、東京大学のブランド力は抜けているようだ。1位は昨年の調査と同様に今年も東大だった。支持率は20.8%とダントツで、2位慶応大の15.2%、3位京都大の9.0%を大きく引き離していた。
◆わが子を入れたい大学
順位 大学名 (%)
1位 東京大 20.8
2位 慶応大 15.2
3位 京都大 9.0
4位 早稲田大 5.6
5位 一橋大 5.1
6位 ハーバード 3.7
7位 大阪大 2.5
7位 北海道大 2.5
7位 上智大 2.5
10位 名古屋大 2.2
10位 同志社大 2.2
この調査はgooリサーチと、プレジデント誌が共同で実施。回答者は20歳代から50歳代で、年収1000万円以上の有職者356人。期間は8月21日から25日となっている。
「○○と○○こそ東大へ行け!」
三田紀房氏のコミック『ドラゴン桜』で主人公が発した有名な一節(○○は侮蔑語)。学校再建を任された主人公は、東大に入ってしまいさえすれば人生は逆転できるという意味で使い、生徒たちを発奮させた。
実際のデータで見ると、東大卒業生の平均年収は843万円(マイコミフレッシャーズ調べ)。サラリーマンの平均年収約550万円と比べても断然高いことがわかる。東大が人生のすべてではないことは誰もがわかっているが、不況だけにまずは自分の子供には、せめて安定を、との親心が働くのは仕方がないことかもしれない。
近年は東大よりもハーバードへ、という考え方は富裕層の間では選択肢の一つとして定着しつつある。日本国内の有名大学の中にあって6位に食い込んでいる。両親自体に海外留学、仕事で海外赴任した経験がある場合も多く、もはや垣根はないと言っても良いだろう。
声としては「日本の大学は東大でもレベルが低い」「海外の大学のほうが(学生が)しっかり勉強している」などというものがあり、実際に海外を見てきた両親からすれば、何も東大うや国内の大学に固執する必要はないのかもしれない。
ハーバードは合格率は10%を切る最難関の名門大学。しかし実際はあまり一般には知られていないものの、日本人の合格率は50%ほどなのだという。もし、尻込みしているのなら、それは早計というものではないか。学部生は卒業後、海外で活躍する場合が多いために、あまり知られることがないようだ。もしも、こうした事実が日本で広まれば、今まで以上に海外志向は強まっていくのかもしれない。
昨年は1位だった王者トヨタ自動車が2位に転落。不況の波で大きな打撃は受けたものの、日本を代表する企業であることに変わりはなく「あと30年はつぶれなさそう」などという評価だった。上位企業を評価しているポイントは、安定性と成長性という両方を満たす企業だという。
だいたいにおいて「東大→トヨタ」という図式は基本的には、大きくブレることはないようだ。現在は学歴イコール安定した暮らしが手に入るとは限らないものの、親は学歴社会で育ったためか、やはり東大などの有名大学に行けば有名企業に入ることができる、という考え方は根強く残っているのかもしれない。
ちなみに、米国や中国の富裕層の間では、わが子を軍事学校に入学させて、規律や礼儀など人として大切なモノを教えるという動きも出ているのだという。国によって価値観は様々だが、日本はまだまだ画一的と言えるのかもしれない。
◆わが子を入れたい会社
順位 企業名 (%)
1位 三菱商事 10.1
2位 トヨタ自動車 6.7
3位 三菱東京UFJ 5.6
4位 三井物産 3.7
5位 ソニー 3.1
5位 全日本空輸 3.1
5位 グーグル 3.1
8位 本田技研工業 2.8
9位 任天堂 2.5
9位 NTTドコモ 2.5
9位 マッキンゼー 2.5
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