自然農法で食べて行くことの素晴らしさを考えている。だけれども、現実、自然農法だけで生活をたてていくことはとても難しいことである。一つ一つを手売りすることを考えたら、１００万円を稼ぐには、１００円の茄子を１万個売る必要があるのである。

１万個を売るということの大変さは、一般の人には想像がつかないと思う。しかも野菜は普通の商品と違って、賞味期限があり、旬は限られていて、輸送にはお金がかかるのである。自然農法の農家で１００万円を稼ぐのは非常に難しいことがよくわかると思うのである。この難しさはどう考えればいいのだろうかということがこれからの課題だと思うのである。自然農法の最大の強みは、安心安全なおかつ味がいいというところだと思う。

そして、化学肥料と農薬を使わないことで、そのぶんの費用がかからないということも十分な強みになると思う。弱点は、慣行農法の野菜と比べて、形が揃わないこと、虫食いが多いこと、形が小さいことぐらいだろうか。慣行農法の野菜と比べて、自然農法の野菜の良さを分かってくれる人に食べてもらえればいい話しである。できるだけ理解のある消費者を作ること、その消費者と生産者を近づけること。そういう試みの中で、自然農法の理想的な形が出来上がって来るのだと僕は思うのである。

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