繋がれた捨て猫の話の続き。
妹の、そのうち誰かが紐をほどくんじゃない?という予想は大当たりだった。
3日ばかり前、いつもの場所に猫の姿が見えなかったので近寄ってみると、空のネコ缶の隣に一枚のメモが置いてあった。メモにはこう書かれてあった。
ネコをしばらないで。キケンです。
犬が来たら逃げられません。
あなたに何かあったらエサはどうするの?
強いネコにしてください。
メモを読み終えて帰ろうとすると、少し離れた茂みに例の猫が大人しく座っているのに気づいた。紐には繋がれていない。エサも寝床もあるし、もうここが住みかだと心得て遠くへは行かないのだろう。
さて、その次の日の夕方、いつものように散歩に出かけ土手の階段を降りようとすると、青いビニールシートのあるあたりから年配の女性が二人、出てくるのが見えた。猫のいる場所の方を振り返り振り返りして、何か話しているので、こちらから近寄って声を掛けてみた。
「猫、いますか?」
「いるよ。」
「ずっと前からいますよね。紐に繋がれて。」
「そうだよ。かわいそうにねえ。あたしら、昨日放してやったんだけどね。今日また繋がれてたよ。」
「え、昨日、メモが置いてあって。誰か放したんだなって思ったんですけど。」
「メモはまだあるよ。傘のところに挟んであったから見たとは思うんだけどね。」
「また繋いだんですねえ。」
「だから、あたしら、今また放してやったんだよ。」
猫はすぐそばの茂みにうずくまっていた。
「ついてこようとしたから、今、来るなって言ってたんだけど。でも、こっちの歩道の方へは出てこないみたい。」
夕飯の席で、この顛末を家族に話すと、
「おー、これから繋ぐ人と放す人と、バトルになるねえ。」
と妹が言った。
母は相変わらず断固とした態度で、放す方がとんでもない、野良猫が増える、迷惑だ、と言う。
今日の夕方、猫の姿はどこにも見えなかった。容器の中には食べかけのエサが残っていた。
被拴的野猫的故事-续编。
妹妹说过;过会儿有人会把它的绳子解开。她的预测完全对了。
三、四天之前我在往常的地方没有发现那只猫,走到眼前看,在猫的食物容器旁边有一张纸,写道;
不要拴起来猫。很危险。
狗过来的话它逃不了的。
你有什么理由不来了,让它就饿死的。
应该给它独立自主。
我读完就要回去时看见了那只猫在旁边的草丛里乖乖地蹲伏。它没有被拴。它也知道在这儿有吃的有住的,已认为这儿是它的家,不愿意去很远的地方。
第二天傍晚,我跟平常同样正要下河堤的台价时,看见了两个老太太从摆着蓝色的塑料布的那边走过来。她们一边回头看那只猫的家的附近一边聊什么话的样子,我走过去她们那儿问问;
“猫,还在吗?”
“在啊。”
“好像一直在这,被拴起来的呀。”
“是啊!真可怜啊!我们昨天把它放了,可是今天有被拴起来了。”
“哦,是吗。昨天我看见了有一张便条在那里。我想有人放它了呢。”
“便条还在那儿呢,夹在雨伞那边,所以主人应该看过那张便条。”
我看见了猫在旁边的草丛里蹲伏。
“它好像要跟着我们,所以我们刚才告诉它别跟着,不过它好像不敢过来到这边的人行道。“
我在吃晚饭时提了这只野猫的话题。妹妹说;
“有意思。拴派与放开派开始斗争了。”
妈妈还在坚持原来的态度,不应该放它,野猫多了就给人添麻烦了。
今天晚上我又散步去的时候,猫不在了。容器里留着吃一半的食物。